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排出量算定の仕事とは?未経験の事務職から始めるGX実務

「排出量算定」という言葉を見て、この記事を開いた人は、おそらく2つのうちどちらかの状態にあります。

求人やニュースでこの言葉を見かけて「何をする仕事なんだろう」と思った人。あるいは「自分にもできるのか」と気になっている人。

結論から言います。排出量算定の仕事の大部分は、環境の専門知識がなくても始められます。実際に現場で手を動かしているのは、事務経験のある人たちです。

この記事では、排出量算定とは具体的に何をする仕事なのか、なぜ事務職に向いているのか、未経験からどう入るのかを、専門用語を最小限にして解説します。

排出量算定とは、具体的に何をする仕事なのか

排出量算定を一言で言えば、「企業がどれだけCO2を出しているかを、数字で明らかにする作業」です。

ただし、CO2を直接測ることはしません。実際にやるのは次のような手順です。

1

使用量データを集める

電気・ガス・燃料・水道・廃棄物などの使用量を、請求書や検針票から拾う

2

排出係数をかけて換算

「電気1kWhあたりCO2が○kg」という政府公表の係数を使い、使用量をCO2量に変換

3

一覧表にまとめる

計算結果を月別・拠点別・カテゴリ別に整理

この3ステップが排出量算定の骨格です。

そして、このうち最も時間と手間がかかるのは1番目の「データを集める」工程です。

排出量算定の仕事の中で、事務職がやる部分はどこか

排出量算定の全体像を見ると、役割は大きく3つに分かれます。

設計する人

どのデータを、どの範囲で、どの計算式で算定するかを決める人。環境の専門知識が必要。通常、コンサルタントや環境部門の専門職が担う。

データを揃える人 ← ここが事務職の出番

請求書から数値を拾い、Excelや算定ツールに入力し、不備のないデータ一覧を作る人。最も手間がかかり、最も人手が不足している工程。

報告書をまとめる人

計算結果を報告書やレポートの体裁に仕上げる人。文章力とデータ整理の両方が求められる。

事務職が最初に入るのは、2番目の「データを揃える」工程です。ここが排出量算定の全体のうち、作業時間の7割以上を占めると言われています。

つまり、排出量算定の仕事の大半は、事務作業です。

なぜ事務職が、排出量算定に向いているのか

「データを揃える」工程で求められるのは、次の3つです。

正確さ

請求書の数値を間違えれば、排出量の計算結果が根本から狂う

再現性

毎年同じ方法で計算し、前年と比較できる状態を保つ

持続力

拠点10×12ヶ月=120件のデータを毎年処理し続ける

いずれも、事務職が日々の業務で培ってきた能力そのものです。環境に詳しい必要はありません。「数字を正しく扱える」ことが、この仕事の最も重要な適性です。

未経験から、どうやって排出量算定の仕事に入るのか

排出量算定の仕事に関わる入り方として、現在最も多いのは派遣業務委託(BPO)です。

理由は2つあります。

  • 企業側がまだGXの体制を整えている途中であり、最初から正社員を採用するのではなく外部に業務を切り出すケースが多いこと
  • データ整備という業務の性質上、定型業務として外部に任せやすいこと

入口となる業務は、次のようなものです。

  • 電気・ガス・燃料の請求書から使用量を抽出
  • Excelまたは算定ツール(GX SaaS)への入力
  • 拠点別・月別データの集約と不備チェック
  • 前年データとの突合、異常値の確認

環境の専門知識は、入社後の研修で十分に補えます。排出係数の意味、Scope1・2・3の違い、使用する計算ツールの操作方法――これらは座学と実務を組み合わせれば、数週間で基本が身につくレベルです。

大切なのは、研修で環境知識を覚えることではなく、データを正確に扱える事務の基本能力を持っていることです。

データ入力から、どこまで仕事が広がるのか

排出量算定の入口はデータ入力ですが、その先には自然な広がりがあります。

数ヶ月データを扱ううちに、算定ツール(GX SaaS)の操作を覚えます。ツールの画面は変わっても、やっていることは「正しい数値を正しい場所に入れる」ことなので、事務の延長で対応できます。

その後、データのチェック担当、レポートの作成補助、拠点とのやりとりといった工程に進む人が多くいます。

データ入力算定ツール操作品質チェックレポート作成補助拠点調整

「排出量算定の仕事」は、最初から全体を任されるわけではありません。入口のデータ入力から始めて、扱うデータの全体像が見えてくるにつれて、自然に担当領域が広がっていく構造です。

この仕事は、どうやって探せばいいのか

排出量算定に関わる仕事は、求人票だけでは見分けがつきません。

「データ入力」「一般事務」と書かれた求人が、実はGXの現場で排出量データを扱う仕事であることがあります。逆に「環境コンサルタント」「サステナビリティ推進」と書かれた求人が、データ入力とはまったく異なる業務であることもあります。

そのため最近では、排出量算定の業務を職務内容ベースで分解し、事務経験との接続を明示した派遣・支援のサイトが使われるようになっています。

GX派遣という選択肢

GX派遣とは、環境の専門家になることではありません。

あなたがすでに持っている事務の経験を、排出量算定という文脈で正しく位置づけることです。

データを正確に集めて、正確に入力する。それが企業の脱炭素を止めないための仕事になる。

その入口を整理しているのが、gxhaken.com です。

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